【乳がん】 術後 化学療法は再発予防に効果 - Phase III CALOR trial

乳がんが再発した場合、それが局所的な再発であっても、その後、転移してしまう可能性が高い（5年以内転移の可能性：45%～80%)ので、局所的再発を予防することは非常に大切です。

「局所再発予防のために、化学療法がどれだけ効果があるのか」を調査して臨床試験の
アップデートがありました。（結果詳細はこちら。）

試験対象患者：　ＥＲ陰性　腫瘍摘出後患者 162名
　　　　　　　　　　　（HER2陽性か否かを問わない）

治療開始時期：   2003年～2010年

試験名            ：   Phase III CALOR trial （試験概要詳細は、こちら）

方法                ：  乳がん摘出手術後、化学療法を実施するグループと
　　　　　　　　　　 実施しないグループに分けてOS

9年（調査期間中央値）の結果　　：

10年　無増悪生存率：
　　　　化学療法群実施群  ： 70%
　　　　化学療法をしない群： 34%.
 　　　　(HR, 1.07; 95% CI, 0.57-2.00).

10年　全生存率：
　　　　化学療法群実施群  ： 73%
　　　　化学療法をしない群： 53%.
          (HR, 0.48; 95% CI, 0.19-1.20).

この試験での術後化学療法は、以下の通り。

Adjuvant Chemotherapies for ILRR

Chemotherapies were selected by the treating physicians based on patient and disease characteristics, and prior or ongoing therapies for the primary breast cancer . 25%  (25/85) of the patients in the chemotherapy group received single cytotoxic agents, with taxanes(タキサン） and capecitabine（商品名：ゼローダ） being the most frequently used. 65% (55/85) of patients were treated with combination chemotherapy, predominantly anthracycline-based regimens.

 

この臨床試験の5年経過時報告でも指摘されていましたが、やはり術後の化学療法は、再発防止に非常に有効ですね。