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2018年2月21日水曜日
糖質制限とがん細胞の関係 -本題は樹状細胞
がんは成長するのに沢山の糖質(Glucose)を必要とするので、糖質制限をすると、がん細胞が成長するのを防いだり、転移するのを防ぐことができる、という情報をネット上で見かけます。
でも、この糖質制限のがん治療効果について、一般に生物・医学業界は懐疑的なようです。
全米で1位、2位の高い評価を得ているMayo Clinicは、糖ががん細胞の成長を加速している、という神話があるが、それは正しくない。 PET試験をすると、がん細胞はGlucoseを多く吸収しているように見えるので、そこから生まれた誤解だと言い切ります。(詳細はこちら)
Cancer Research UKは、この神話が生まれたのはOtto Warburgが1950年代に、がん細胞は、通常の細胞とは別の方法で糖質をエネルギーに変えていることを発見したが、このことから癌細胞は糖質に依存しているのではないか?という誤解が生まれたのではないか、と指摘しています。(詳細はこちら)
また、マサチューセッツ工科大学の研究では、がん細胞のエネルギーソースは、10%程度がGlucoseから。 しかしアミノ酸(20%-40%)やGlutaimin(10%)からも成長に必要なエネルギーを作っていると分析しています。
(参考はこちら)
ある特定のがん腫(膀胱がんや乳がん等)は、肥満していると癌が発生しやすいという統計データがあるので肥満は避けなければいけないが、糖質を制限しても治療効果は見込めない。
寧ろ、糖質は正常細胞のエネルギーの元でもあるし、糖質が充分にないと免疫システム(T細胞やNK細胞)も機能しなくなるので、過度の糖質制限しない方が良い、という見解のようです。
さて、前置きが長くなりました。
Trinity College Dublinの新しい研究発表です。
通常の細胞は糖質がなくなると活動ができなくなるが、樹状細胞は糖質がなくなると活発に活動をする、という事を発見しまたと発表しました。
樹状細胞は、免疫細胞(T細胞やNK細胞)を活性化する指令塔です。 糖質がないと細胞は活性化しないが、糖質がないほうが樹状細胞は活性化する、とは、やはり人間の身体は複雑です。
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