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2018年2月27日火曜日

先駆け審査承認の裏で - ハーセプチンのバイオシミラー薬(後発薬)の承認


厚生労働省の指定する先駆け審査制度の対象品目であった塩野義製薬のインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ錠」の製造・販売承認がされたと、塩野義製薬から発表がありました。
(2018年2月23日)

インフルエンザを1日で治療することが可能な経口薬ということで、海外でも相当に話題になりましたので、先駆け審査制度の対象品目である面目躍如です。



これに先立ち、2018年2月2日に、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で同薬を承認すべきかどうか審議されて、承認が了承されていたものです。

この2月2日の審議に、HER2の過剰発現がん細胞治療に使われるトラスツズマブ(ハーセプチンと言った方が、みなさんには馴染みがありますね。)のバイオシミラー薬も審議され、審査不要の報告対象薬とされることが了承されました。

ハーセプチンは、アメリカでは、1998年から。日本では2001年4月に「HER2過剰発現が確認された転移性乳癌」に対する治療薬として承認され、2008年2月には、術後補助化学療法が追加適応として承認されたことで、乳がんの治療には欠かせないお薬になっています。

また、2011年3月には、「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」の効能・効果が追加承認されています。

今回の報告対象品目とされたトラスツズマブBS点滴静注用60mg「NK」、同150mg「NK」は、日本化薬が2010年11月に韓国のセルトリオン社と、日本における共同開発・販売に関する契約を締結して開発を進めてきた薬。

一方で、ハーセプチンを開発・製造販売するロッシュ社(日本は中外製薬)は、このハーセプチンのバイオシミラー薬を、同社が有する特許を理由に販売製造の中止を、世界中でもとめてきました。

そのため、ハーセプチンは乳がんと胃がんに適応が認められていますが、用途特許が残存するとのロッシュ側の主張により、今回の同薬は、胃がんのみでの適用となっています。


ハーセプチンをはじめ分子標的薬の薬価は高く世界的にも、どのように薬価を抑えるのかが課題となっています。 

アメリカのアプローチは明確です。 後発薬を承認して臨床現場で使われて競争状態を作りだせば薬価は自然に下がる、というものです。

2017年12月、FDA(米国食品・医薬品管理局)は、ハーセプチンのバイオシミラー薬である、Ogivri(Mylan and Biocon社共同開発)の製造販売を承認しています。

これにより薬価が30%程度、下がるのではないかと期待されています。

よいお薬が臨床の現場で沢山使えるようになり、その結果、薬価も下がるというのはとても大事な行政の仕事です。

その意味で、今回の日本でも承認も大きな意味をもつことになります。

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